よもやま話β版

よもやま話を書きます。内容はぺらぺら。自由に書く。

Audible完走備忘録・2022年中旬

7月中旬〜10月上旬にかけて、3冊の小説をAudibleで聴いた。 正直言ってゆっくり紙の本を読書する時間がさっぱり取れないので、両手が塞がっている家事の時間に耳で物語を補給できるというのはやはり自分にとっては大変便利な体験だった。

Audibleを使い始めたやつ → 「三体」ぜんぶAudibleで聴いた(微ネタバレ) - よもやま話β版

今回はこの三冊。(継承略)

  • 「同志少女よ、敵を撃て」著: 逢坂 冬馬、朗読: 青木 瑠璃子
  • 「黒牢城」著: 米澤 穂信、朗読: 荻沢 俊彦
  • 「テスカトリポカ」著: 佐藤 究、朗読: 長田 任

大体1ヶ月に1冊読めると考えると、Audibleが月額1500円で、本も電子書籍で買おうとするとそれぞれ1800〜2000円くらいとすると、一応、元は取ってるのかなという印象。ただし聴き続ければ…という話なので、もし聴く時間も取れないとか、YouTubeとかPodcastとかで好きな配信者さんの話を聴くのに耳が忙しいとか、だと使わなくなってしまうと思うし、その時は無為に課金額が増える前に停めないとということは留意しておきたい。

ところでAudibleを聴き終わったということをどう表現すればいいか迷った。本だったら「読了」とかで良いのだが…とりあえずなんとなく「完走」としておいた。時間をかけて終わらせました、というか……。RTAとかの「完走した感想」というの、言い得て妙だが、一体誰が言い出したのだろうか。面白いな。

以下、三冊分の感想を自分用としてチラッと感想を記録しておく。自分の主観ではネタバレ入れていないが、いわゆる「匂わせ」みたいなのも絶対にイヤだという方は閲覧非推奨ということで。





同志少女よ、敵を撃て

結構前から気になっていた作品。ざっくりと戦争と女性と共産/社会主義的な話というのを表紙とタイトルから感じ取っていたのだが、それ以外の情報は特に仕入れずに聴いた。全体を通して最初の印象通りの話だったが、最後で主人公格ふたりの関係性がそう変化していくのかと思ってちょっと驚いた。後でGoogle検索かけたらサジェストキーワードが「あっ みんなそう思ったのね」ということを示していた。そらそうね。それにしても表紙の"同志"という表現、それだけで暗に"共産主義社会主義的な要素が入ってきますよ"ということを示すので、強い単語だな。まぁ、普段使わんしな。取り扱いが難しそうだなと感じた。

そういえば、話は違うが、「戦争は女の顔をしていない」はまだ未読だな。読んでみようか……いや、それこそAudibleはあるかな? どうやらあるらしい。聴いてみようかな、こんなご時世だからこそ…。ああ、戦争なんてろくなもんじゃないな。

黒牢城

米澤先生の「氷菓」や「春期限定いちごタルト事件」などは学生の頃に大変楽しく拝読していたこともあり、「黒牢城」も気になるタイトルだった。だが過去に拝読していたタイトルから学生&ミステリの組み合わせのイメージが強く、序盤の歴史物が始まったときには、はてどうやっていくのだ、この主人公の殿様は頭が切れるというし、この人がバンバン解決していくのだろうか…。と思ったところからの「探偵」の登場はシビれました。戦国時代のこのタイプの探偵もの、そういえば知らないな。知らないだけであるかもしれないが…自分は少なくとも知らなかったので、そうきたか!と膝を打つことになったわけです。 完走後に史実も調べたのですが、うまくそこの帳尻は物語とあってるわけですね。いやはや流石の面白さでございました。それにしても、耳から日本の昔頃合の語り草が入ってくると、日常のふとした表現もそちらに流されるようになり、如何とも面白き体験でございました。「探偵」について感想を書きたい気もするがネタバレしすぎそうなので何も書けない。ミステリものの宿命か。

テスカトリポカ

表紙がアステカの仮面?の大写しで、なんとも不気味な本だと書店で見て気になっていた。Audibleのサジェストに出てきたので聴いてみたところ、なんと日本を舞台にしたクライム・サスペンスのお話だった。もっとファンタジーとかかなと思っていたけど。とにかく「ナワトル語」(メキシコの公用語)がたくさんでてくる。多分、紙上では"ルビ振り"で表現されていそうなところを、絶妙な一拍の間を置いて、日本語とナワトル語(もちろん、あくまでもカタカナ発音だが)の組み合わせを朗読してくれるので分かりやすい。これこそプロの朗読者の技術の成せる技なのか……。 また、お話の都合上たくさん出てくるので、頻出単語・用語のナワトル語をちょっとだけ覚えた。パドレ(お父さん)、マドレ(お母さん)、ヨワリ・エエカトル(夜と風)、ティトラカワン(我らは彼の奴隷)、テスカトリポカ(煙を吐く鏡)……。……日常会話には使えないな! 驚いたのは物語に若干コロナ禍の話題が入ってきてたこと。刊行年を見ると2021年2月。そんな要素も入ってきてるし、犯罪の舞台が川崎だし、いかにも「ありえそう」なリアリティの中で血生臭い話が展開されていくのは空恐ろしいものを感じました。だからこそ面白い作品だなとは思うのですが、安易に人にはオススメできないな…。リアリティがありすぎるので実写化とかできそうなんですが、主人公格の少年コシモをできる演者はそういないだろうし、テーマがテーマだし、R18Gとかつけても多分無理そうですね。

何読みたいかメモ

  • 六人の嘘つきな大学生
  • 戦争は女の顔をしていない
  • 推し、燃ゆ