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「オッドタクシー」はいいぞ。映画も見た(ネタバレなし)

www.tv-tokyo.co.jp

( #1「変わり者の運転手」) 個人タクシーの運転手・小戸川は今日も色々な客を乗せる。あと、かかりつけの病院にも通う。

2021年春アニメだった「オッドタクシー」。登場人物たちはさまざまな動物の姿をしており、かわいいので、パッと見は子供向けかなと感じる。この作品のことを知ったのは放送終了後のことだ。Twitterのタイムラインで面白いという話題を見かけ、何気なく蓋を開けてみたところ、ゴリゴリの大人向けミステリー系の深夜アニメであった。

セイウチの小戸川は41歳のタクシー運転手。無口ではあるが、客に問われて返事する言葉は毒舌っぷりがすごい。夜の都内では、カバの大学生、アルパカの看護師、キツネのアイドルマネージャーなど様々な客が乗車していく。彼のタクシーにはいつもラジオがかかっていて、ある時、練馬の女子高生失踪事件についての報道が流れる。

主人公は小戸川だが、彼の視点だけではなく、周辺の様々なキャラクターのエピソードが描かれる群像劇になっている。かわいい絵の雰囲気のアニメでは一話完結ものも多いが、「オッドタクシー」は全13話かけて事件の輪郭を描いていく。結末が気になって、途中で視聴をやめられないタイプの作品だ。全てのキャラクターが濃くて面白いけど、個人的に一番好きなのは、大門(弟)かもしれない。ちなみに、主人公のCVは花江夏樹さん。すなわち鬼滅の炭治郎とイコールだ。かたや40代偏屈タクシー運転手、かたや心優しき剣客少年……。まったく印象が異なる演じ分けをされているので、小学生並の感想ではあるが、改めて声優さんってすごいなぁと思った。

先日、このオッドタクシーの映画版「オッドタクシー イン・ザ・ウッズ」を観に行った。「アニメのラストシーンの"その後"」も描かれるという触れ込みは、TV版ファンとしては見逃せなかった。

oddtaxi.jp

映画館で、求めていた "その後" は確かに目にすることができたが、結果としては、さらに "知りたいこと" のおかわりがサーブされてきた。くやしい、でもまだ楽しむ余地がある。そんな感じの視聴後感想だった。

自分が本当に見たかったものは映画の最後の最後で、体感3〜5分というところだった。作品自体には元から十分満足しているし、予期していたことではあったので、そのあたりは別に不満とかは無い。すでに「オッドタクシー」の全容を知っていて、すごくこの作品が好きだという人にはぜひ見に行ってほしい。ちなみに、映画に行く前に作品の重要ポイントを事前に復習するためにもう一度観ておくとかは、とくにしなくてもよい。お察しください。

この機会にミステリー系が好きな友人にもぜひ観てほしい作品ではあるのだが、映画として "初乗り歓迎" (TV版を見ずに、映画から見ても面白い) を謳っているところは、ちょっと待ったと言わせてほしい。

「オッドタクシー」は 30分アニメ x 13話 = 390分 かけて全体像を描いているので、それを3割程度の128分で語り切ろうとするのが土台無理な話である。TV版の各キャラクターたちの濃いストーリーも魅力のうちだが、それは残念ながら映画だけでは伝わらなさそうだ。TV版はAmazonプライム・ビデオで全話視聴できる。

また、TV版が面白かったなら、YouTubeで公開されているオーディオドラマもぜひ聴いてほしい。オーディオドラマでしか語られていない真実があるので、TV版に戻って確かめたくなること間違い無しだ。

youtu.be

ぜひとも未視聴で気になっている方は、まずTV版を全部視聴して、あとオーディオドラマも聴いてほしい。映画をインスタントに先に見てしまうと、せっかくの良質なミステリーが堪能できなくなってしまうので!