会社から課題図書として「ジョナサン・アイブ」が与えられたので読んだ。 http://amzn.asia/d/a6VRRNIamzn.asia
自分は本を読むまでさっぱり知らなかった*1のだが、彼はAppleのChief Design Officerだ。本にはその半生 + Apple でどのようにプロダクト作成に関わってきたかがたっぷり書かれている。表題は「ジョナサン・アイブ」と書かれているが、本文中では基本「ジョニー」と表記されていた。海外の名前に関する呼び方のニュアンス、難しい。あだ名的扱いなのだろうか。
自分がAppleという会社の製品に触れたのは親に連れ立って行った電気屋に電源が入った状態で展示されていたiMacだった。 自宅にあったのはクリーム色っぽい外装で変哲のない四角のWindows95据え置きパソコンだったので、鮮やかなカラーリングが物珍しく、触って見たものの真円に近い形のマウスが扱いきれなかった。結局操作方法がよく分からないまま、起動しっぱなしのバグズ・ライフのゲーム画面を飽きるまで眺めていたのを覚えている。
これがボンダイブルーと呼ばれるカラーリングであったこと、また当時iMacがジョブズ復帰直後の衝撃的なプロダクトであったこと、そしてジョナサン・アイブ氏も大きく関わっていたことを、約20年越しに読書から知った。
自分はハードウェア方面はからっきしなので、形成技術がどれほどすごいとかはいまいちピンと来ていない。しかし、使っているMacbookの表面がすべすべしていて閉じた状態が綺麗だなぁと感じられるので、ジョナサン氏および彼が率いるIndustrial Design Groupのシンプルさを追求する哲学が一般市民に届いている証拠と言えるのだろうなぁと思う。
また、iOSは昔はもっとアイコンやUIに「木の本棚」や「押せるように見えるボタン」といったリアリティさを求めていた。それはスマートフォン黎明期に人々がデバイスの使い方を理解するために必要なものだったが、ある日を境にフラットデザイン方面に舵を切った。それまでハードウェア面で腕を振るっていたジョナサン氏がiOSの改革も行ったためということのようだ。現実模倣デザイン*2とフラットデザイン、どちらもメリットデメリットがあると思うが、現実模倣→フラットデザインという変更は順当な進化であるように感じた。
特にApple内部がどうしたこうしたという話は特に把握しておらず、ただの1ユーザに過ぎない自分もなんとなくプロダクトから改善の差分の匂いを感じていたが、それはすごいデザイナーさんの活躍が滲み出ていたんだなぁということに驚いた。
iPhone8以降の端末サイズがでか過ぎて手に余り、次の何らかの端末買う機会は携帯のAndroidへの買い替えかなと考えていたが、店頭でうっかり手に取ったiPad Pro(2018)があんまりにも軽くて感動したのでゲットしてしまった。つい先ほどそれが家に届いた*3が、まだダンボールを開けていない。Apple IDgのこだわっている箱を開けるときのわくわくをもうちょっと味わっておこうと思う。
「ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー」、Appleのデザインへのこだわりがどう形成されていったかが追えていってよかった。一応会社の課題図書なので何を学んだかというのを考えると、神は細部に宿る、とか、ユーザのためにこだわるのが大事、ということかな。