STORESさんの自社テックカンファレンス「STORES Tech Conf 2024 "New Engineering"」を聴講してきました。 特定の会社さんが主体のカンファレンスを初めて体験しましたが、OPムービーがあったりとか、会社さんの汎用のノベルティでなくこの会専用デザインのものをいただいたりして、すごいパワーを感じました。また、いつも他の参加者のみなさんの意見を眺めるための場としてTwitter(X)を利用していますが、今回はDiscordが開設されていました。Discordで感想のTimelineもみれるし、疑問/質問があればスタッフさんに聞ける場所があって大変助かりました。Wi-Fi のID/pass は自分も困ったのでDiscordで他の人のやりとりを拝見して解決しました。感謝です! 🙏
Keynote: AIの時代で我々はどのようにコードを書くのか
AIが台頭してきたなかで「残された仕事」は何か、ということを哲学側面から深ぼる話でとても面白かったです。Techカンファレンスであんまりこういう哲学の話とかをじっくり聞く機会は少ない気がします。 哲学をしっかりと修めていないので、用語には明るくはないのですが、こういう雰囲気の話がすごく好きです。働くなかで出会う合理的にビシッと決められないアレやコレやが脳裏を巡りました。もしかしたら "決める" こと自体はAIにも出来るのかもしれませんが、その決定にYesと言う / 何かし決めたことの結果を受け入れる / その上で先へ進む、ということは人間主体であり続けることは変わらないのだろうと思いました。面白いな〜〜〜。
発表の感想
- 『繋がっていくサービスを支える開発環境作り』: いっぱい関連サービスを持たれていると、開発環境を整えるのにも苦労がいっぱいあるんだな…としみじみ感じました。 make dev 万歳!!!
- 『Jetpack Compose で作る楽しい金額入力画面!』: 金額入力画面のここがステキ!というのを作り手が言えるプロダクトは素晴らしいですね。快適なUI/UXはきめ細やかな気遣いのソースコードで成立しているんだなと改めて思いました。
- 『STORES の OAuth 大改造!認可対象変更までの険しい道のり』: 認可対象変えるってものすごい大変なことだと思うのですが、やり切った体験談が聞けると勇気がもらえますね。めでたい!
- 『プロダクトのバンドル化を見据えたプライシングにおけるデータマートの新しい活用方法』: 「値付け」以外にも、色んな変数を持ってて業務で必要なものをスプシ管理する…というシーンは自分もよく出会いがちなので、データマート化しておくというのはトライしてみたいと思いました。とても参考になりました。
- 『複数の ScrollView が連動! STORES レジでスプレッドシート風 UI を実装しました』: なければ作る!というマインドはアツくて良いですね! UIに対する捉え方(スプシ風にすれば動きそう)、データをどう可視化するか、可視化した結果追加される要求(ドラック&ドロップしたい)の話など UI起点の話題をまとめて聞けて面白かったです。事前にデモを拝見していたので分かりやすかったです。
- 『本当は秘密にしておきたい、STORES 決済 QA 本番環境での検証の話』: タイトルに秘密とあるのであんまり書きませんが(?) 決済系の本番で問題が起こらないように、様々な検証が注意深く実施されているということを改めて知り、店舗を利用するいち顧客としてありがたいなぁと思いました!
- 『10年物のRailsアプリにキャッチアップ! 〜コードを読まずに理解したかった〜』 : 歴史のあるプロダクトに親しむためのHowToが詰まっていた凄い発表でした。最終奥義としてのコードを読む方法も、何を手がかりに辿っていくかのフローが整理されており、とても分かりやすかったです。「アプリと仲良くなりたい・健康でいてほしい」という言葉がとてもステキでした!
- 『コンポーネントライブラリとして作る、ポータブルなデータ分析』: 「必要は発明の母」を強く感じる発表でした。理想に達するまでに課題が大量に出るなかで、それに立ち向かい続ける、やってみよう!マインドを持ち続ける姿勢がすごくカッコよかったです。また、この業界の「blogを書いて公開する」という慣習がとても有用なんだなということを改めて感じる事例でした。
Keynote: New Ruby Engineering
いちRubyistとして最後にコミッタのお二人の対談を聞けて嬉しいなぁと思いつつ拝聴しました。型・並行処理・速度、いずれも興味深いですが、個人的にはAtCoderをRubyで時々やっている影響もあり、速度に関心があります。「すごく速いRuby」、とても楽しみです。またRubyを使っている最大の理由として「書き心地が良い」というところがあるので、変更を入れていくにもRubyを書くときに生じる良い体験が変わらないように、というところを考慮してくださっているというのが本当にありがたいことだと改めて思いました。 15年後はどうなってるのか分からないが、5年後は地続きに感じる、というところから自分もふと色々考えてしまいました。5年か…長そうに思うけど、あっという間なんだろうな…。とりあえず、Rubyに本格的に親しみはじめてからちょうど自分は10年くらいなんですが、ずっと変わらず楽しいので、15年後も楽しいだろうなと思いました。
ありがとうございました
いわゆる「自社テックカンファ」というものが初体験だったのですが、色んな角度の発表が聞けてとても満足感のある会でした。STORESさん、お誘いいただきありがとうございました! 🙌