よもやま話β版

よもやま話を書きます。内容はぺらぺら。自由に書く。

宝石展行ってきた話

上野の国立科学博物館で開催されていた特別展の宝石展に行ってきた。※6/19で東京会場は終了しました

特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」

会場前パネル
特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」

展示は次の2フロアに分かれていた。

  • 原石やルース(裸石)、ジュエリーの技法の紹介が主軸・撮影OKなフロア(第1-4章)
  • 歴史的価値のあるジュエリー展示・撮影NGのフロア(第5章)

フラッシュ無しなら撮影OKとのことだったので、第1-4章のフロアはたくさん撮らせてもらった。

巨大なアメシストドーム(1)
どかーん

入口でどかんと迎えてくれたのはアメシストドーム。

巨大アメシストドーム(2)
でかい! 2.5mあるらしい

アメシストドーム内のジオード接写
キラキラしている。ステキだ。

ずっとアメジストだと思ってたけど、アメシスト(Amethyst)が正しい表記のようだ。それにしても圧倒的にでかかった。

ルビーの原石
ルビーの原石

カットされたルビー
カットされたルビー

宝箱型の台座に置かれたピジョン・ブラッド
ピジョン・ブラッドと命名されているルビー

Ruby(プログラミング言語)にお世話になってる身としては確認しておかねばと思っていたルビーも見れた。宝箱に入っているのはピジョン・ブラッドといって最高品質のものらしい。ものすごくうやうやしく展示されていた。

ネギによく似た色合いのトルマリン
ネギ?

みんな口々に「ネギに似てる」と囁いていくトルマリンとか。

他にも色々あった。

展示ケースに並ぶ宝石群(1)
ずらずら

展示ケースに並ぶ宝石群(2)
ずらずらずら

宝石環
いろんな色があるんですね

巨大宝石が展示されている様子
かなり大きい

首飾りやブローチなど
ジュエリーになった宝石

首飾りの展示
大粒の首飾り

人波をうまく避けようとしたら、やたら側面からの画角が多くなった。来館されたみなさん(自分もですが)、展示ケース前で見惚れてしまうので、特に列をつくるルールは無いのだが、誰となく列になって自分が展示ケース正面を見るタイミングを待つ…、という状況が多かった。正面にこだわらなければ、結構さっと見ることができた(のでそういう写真が多い)。全体を満足するまで見回るのに1時間半くらいかかった。

後半の撮影NGな歴史的価値のあるジュエリー群は、みんなスマホ(カメラ)をしまいこんで、しみじみ魅入るという感じで、前半コーナーよりも人混みの揉みくちゃ感が無くてゆっくりと楽しむことができたように思う。

個人撮影はNGだが、公式図録にはばっちり後半のジュエリー群も載っている。また、展示横の説明書きより多くのエピソード群が読めて税込3000円。買っちゃいましたね。

公式図録(黒表紙) + 物販で売ってた本 + ミニブック

物販コーナーの終わりには鉱石ガチャガチャ500円/回が設置されていた。ロマンだ、やるしかない。宝石展で自分の財布のヒモはゆるくなっていた。興味深そうにこちらを見る子供らをよそに、大人の財布力で5回ガチャガチャした。*1

5個の鉱石を並べてみた
5連ガチャ結果

左から、紫水晶蛍石、ブルーメノウ、赤メノウ、オレンジ方解石。(Gemの本に白い毛が散ってるのは我が家の白猫がスリスリしたためである。カワイイので許す。) とくに蛍石が光に透かすととても綺麗なグラデーションが出るので、気に入っている。

蛍石を光に透かすと、透明、紫、青、薄緑のグラデーションが見える
めちゃ綺麗だな

“物語”と宝石

ところで、自分の宝石に対するにわか知識がどこで身についたかと考えると、やっぱりマンガ・ゲーム類からである。今回の展示をみながら思うところがあったので書いておく。

七つ屋 志のぶの宝石匣

宝石展内の「志のぶと宝石を学ぼう」コーナー
公式にパネルがかけられていた。

公式のコラボとして、二ノ宮知子先生の連載中の作品「七つ屋 志のぶの宝石匣」の解説が壁にかかっていた。実は宝石展には5月中旬と閉会直前6月中旬の2回行ったのだが、その間に全巻読んだ。宝石の「気」を読める質屋の女子高生・倉田志のぶと、宝石店の外商かつ質流れ品(?)にして志のぶの婚約者(??)である北上顕定のW主人公のお話。実際に二ノ宮先生ご自身が8日間、宝石の学校(GIA)で受講された*2とのことで、宝石・鉱石について随所にたくさん説明が出てくる。 実際、マンガを読んでいった2回目のほうが宝石展をより楽しむことができた。今は最新16巻で、面白いところで終わっている...続きが待ち遠しい...。

バディミッション BOND

パパラチア・サファイアの展示。ピンク色の石。
これが本物のパパラチア・サファイア!!!

Switchで発売されているアドベンチャーゲーム「バディミッション BOND」の序盤で、宝石「パパラチア・サファイア」が登場する。あんまりにも無知だったので、宝石展で現物を見るまで架空の宝石かなと思っていた…。*3 ゲーム画面ではもっとオレンジっぽいと思っていたが、実物からはピンク色という印象を得た。後から調べると、"パパラチア・サファイア" の色の定義は各国によって異なるようで、日本ではピンク、ヨーロッパではオレンジの強いものとされているらしい*4*5。バディミの世界観は架空だがヨーロッパ系なので、オレンジ色の強い表現だったのかもしれない。 こういった「コンテンツで見た!」の瞬間に大変楽しみを覚えるタイプなので、見つけたときにものすごくニヤニヤしてしまった。宝石展でパパラチア・サファイアの前で立ち止まった人、バディミプレイヤーではなかろうか。言い過ぎか。

名探偵コナン 銀翼の奇術師

スター・サファイア

劇場版シリーズ第8作目。怪盗キッドが狙う標的として、3本の筋の入った青い「スター・サファイア」の指輪が登場する。登場する宝石は基本的に架空のものだと思っていたので、これも実際にあったのか…という驚きがあった。ただ、この裸石(ルース)より、印象としては展示されていたスター・ルビーの指輪のほうが映画に出てきたものに近いと感じた。周囲をダイヤで囲っているデザインのためかもしれない。

スター・ルビーの周囲を小粒ダイヤモンドで囲うあしらいがされている指輪
スター・ルビーの指輪。こっちの方が映画に出てきたものの印象に近い

宝石の国

宝石といえば外せないのがやはり「宝石の国」だ。個人的には市川春子先生のマンガはとても好き*6なのだが、ちょっと心がヒヤッとする感触を得る話が多いのでオススメするかどうかは相手による。 「宝石の国」では、身体が宝石で出来たヒトに近い生物が登場する。彼らはその美しさ故か、月から襲ってくる敵にしばしば破壊され、持ち去られてしまう。なので、その襲来に抵抗するために戦うことが基本的な仕事になる。しかし、主人公の「フォスフォフィライト」は特に脆い。脆い故に戦えないし、生来の不器用さもあいまって、他の仕事もまったく出来ず、やる気ばかりが空回りする。

「耐久性が足りない宝石」と案内のあるショーケース
「耐久性が足りない宝石」

フォスフォフィライトのカットされた裸石および原石
美しい薄荷色

さすが硬度が三半のフォス。「耐久性が足りない宝石」のケースの中に展示されていた。一度本物を見てみたいと思っていたので、感動もひとしおだった。薄荷色が瑞々しくてとても綺麗だ。現時点最新の11巻まで読み終わっている身としては、これが...こうなって...ああなって...(ネタバレ自主規制)...なので、なんともいえない心持ちを感じた。ちなみにコミックス派なので、「宝石の国」が2021年から休載していたのを知らなかった。ちょうど再開とのことなので、すごく嬉しい気持ちもあるが、続きを読むのがちょっと怖い。 また、置き場所の問題で手放してしまったが、紙の「宝石の国」の表紙は加工されていて、キラキラ輝く。手放して後悔しているマンガシリーズのひとつでもある。もうちょっと本棚を拡張できたら、ぜひ紙媒体で買い直したい…。

宝石はいいぞ

何故、前半展示が写真OKだったのかは、あとからこうして写真を見直すとその理由がわかる気がした。透明感・艶やかさ・輝き、といった宝石の魅力は、どうしても平面(写真)になった瞬間に半減する。公式図録も画質はとても良いが、やはり生で観た時の圧倒的迫力は失われているように思う。肉眼で色んな鉱石・裸石・ジュエリーを鑑賞できて大変楽しかった。

2022/07/09〜9/19までは名古屋市科学館でやっているらしい!

hoseki-ten.jp

*1:別の友人と合計2回来場して、初回に2連、2回目に3連引いた。1回にうっかり5連しなかっただけエラいのではないか。

*2:『七つ屋 志のぶの宝石匣(1)』のあとがきより

*3:よく考えると「宝石の国」でも"パパラチア"がキャラクターとして登場するのだが、"サファイア"の一種という話とまったく結びついていなかった。なるほどな。

*4:バイヤー内藤、宝石を語る。「パパラチアサファイア」 - GSTV FAN

*5:30秒で分かるパパラチアサファイアの魅力! | カラッツ Gem Magazine

*6:市川春子先生の短編集「25時のバカンス」に収録されている表題作が最推しです。