初めて習った目玉焼きの作り方は、焼き始めたあとに水を足して蒸し焼きにするやり方だった。 自分はこれを唯一無二の目玉焼きと信じて20年ほど生きたあと、一人暮らし中に、蒸し焼きせずにフライパンに落として待つだけで白身が固まるという発見をした。しかもこの方法だと黄身の半熟加減を決めるのが蒸し焼きよりもやりやすかった。
すごい発明だぞと喜んでいたが、これは世界の新発見ではなかった。すでに名前が付いていたのだ。
- sunny-side up: 片面のみ焼く方法
- turn over: 両面焼く方法
- basted egg: 蒸し焼き
世界の物事には大抵新発明というのは残念ながらなくて、大概既存の便利なものや概念が存在している。しかしそれらの既存のものを少しずつ付け足したり、組み合わせたりしてより便利なものを作るということも立派な仕事と言えるはずだ。 自分は多分新発明する力はないけど、gemとか既存のノウハウでサービスを保守開発運営することはできる。できることでとりあえず粛々と頑張っていこう。
朝ごはんの目玉焼きを見ながら、なんとなくそういうことをつらつら考えた。おしまい。